去る3月11日、アーティストユニット「深沢アート研究所」山添joseph勇さん/カブさんの協力のもと、中学1年生を対象にした美術のワークショップが行われました。 この活動は「せんたくばさみ」「トランプ」「子犬のおもちゃ/KOOV(ロボット・プログラミング学習キット)」を使い、空間全体を作品に見立てて制作するインスタレーション型ワークショップです。目で見て、耳で聞いて、素材の感触を楽しんで、感じたり、考えたりしながら、過程そのものを楽しむこと。作品に全身を囲まれながら、空間全体を「体験」すること。それがインスタレーションの醍醐味です。 生徒たちが会場である体育館に入った瞬間、「キャー」「すごい!」という歓声が上がりました。薄暗い中に点在した照明がぼんやりとあたりを照らし、蜘蛛の巣のように縦横に張り巡らせたラップテープが空間のあちこちに揺らめいています。 机上で行う普段の授業とは異なり、用意された素材を使って自由に空間をつくり上げていくというこの日の取り組みに、初めは戸惑いを覚えた生徒もいたようでした。 この日用意された3万個(!)のせんたくばさみは、様々な色や形、大きさをしていました。生徒たちはイメージをふくらませながら、丸くつなげて輪にしたり、色を少しずつ変化させてながらグラデーションの帯にしたり、TOSHIMAGAOKAの文字をつくったりしながら、思い思いに空間が変容していく過程を楽しんでいました。 後日談ですが、せんたくばさみという身近なものが作品づくりの素材になるということに驚きを覚えた生徒も多くいたようです。 普段と少し視点を変えてみると、様々な気づきが生まれます。 今後もいろいろな経験を通して、視野を広げていってほしいと願います。 |