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科学探究基礎 Ⅰ (2) 2018.07.09

SSH

7月9日(月)SSHのプログラム『科学探究基礎Ⅰ』の2回目を実施しました。

1回目と同じように3つのグループに分かれ、一日かけて探究活動を行いました。物理と化学のテーマは1回目と同じですが内容が発展しました。今回の新たな課題は「モノづくり」厚紙ブリッジを作りました。また、学校向けのICTプログラム「Classi」を導入するため、その説明もそれぞれのクラスで行われました。

 

【モノづくり(厚紙ブリッジ)】(東京電機大学 笹谷真通 准教授)

限られた材料と時間で「厚紙の橋」を制作、芸術性と構造(強度)を競うモノづくりのプログラム。午前中は『制作』午後は『講義と審査』のハードスケジュール。

制作時間は約3時間。限られた条件の中で「厚紙ブリッジ」づくり。説明後、材料の「厚紙1枚」「アロンアルファ」「グルーガン&グルースティック」サンプル制作用の「セロテープ」がそれぞれの班に配られました。班の人数は3~4人。配布された厚紙は2枚。1枚目はサンプル制作・2枚目で本番用の制作。という設定でした。「すぐに手を動かして薄い紙を使ってアイディアを試してみるグループ。」「設計図を書きながら話合いでイメージを膨らまるグループ。」「たくさんのアイディアを積極的に出し合うグループ。」とそれぞれのペースで制作をスタートしました。3時間弱の短い制作時間の中、アイディアを出し合い、手を動かし、試行錯誤しながら熱心に取り組む姿は印象的でした。制限時間の昼近くになると「あと30分しかない!」「間に合わない~!!」などの声が聞こえていましたが、最終的には、すべてのグループが時間までに橋を完成させました。難しいと思う課題を時間内にしっかりと仕上げる生徒たちの集中力にはいつも感心させられます。

午後は、審査と講演会。昼休みに生徒同士が芸術部門の投票を行い、13時から東京電機大学の建築学科の笹谷先生の講演が行われました。 「モノをカタチにする」をテーマに、頭で考えるだけでなく、実際に作って試行錯誤することの大切さと現代のシミュレーション技術の凄さにも触れ、建築学は幅広くモノづくりにかかわる学問であることの説明がありました。実際に厚紙ブリッジを完成させた生徒にとって、モノづくりへの興味や気づきにつながる講演だったのではないでしょうか。講演後はいよいよ構造部門の審査。3チームずつ、バケツに入れた重りを増やして何キロまで持ちこたえるか。という競技形式の審査に会場は大いに盛り上がりました。予選は3.3Kgがゴール。それを超えたチームが決勝に進出。決勝戦進出は、なんと10チーム以上!決勝では8Kgを超えたチームが4チームもあり、残念ながら時間切れ!最終決戦は2学期に持ち越されることになりました。審査中は、重りに耐えかねた橋が崩れる時には悲鳴や歓声と同時に健闘を讃えあうあたたかな拍手が自然に起こっていました。

【数学・物理融合(ボールバウンズ、レインボースプリングの解析)】

前回はバレーボールとバスケットボールを使用しましたが、今回はバスケットボールとプラスチックのばねを使っての解析を行いました。

きれいなグラフを作るためにデータ測定で試行錯誤を重ねるなかで「ボールは、一か所でバウンドさせるのが難しい!」「距離が遠いとその分グラフがぶれやすいんじゃない?」「ばねを下から戻る力を使ったら?」と話し合いながら、きれいなグラフになるようにボールを落とす高さを変えたり、ばねがぶれないように壁に沿っってばねを伸ばしてみたりと、それぞれ工夫し試行錯誤をしている姿が見られました。実験後は教室でPowerPointを使って実験の結果と考察をグループごとに発表しました。

【化学(反応速度の測定)】

化学は、溶液の反応速度の測定で溶液の濃さや温度を変えての実験。溶液を混ぜて試験管を振りながら色の変化を待つ生徒。それを真剣に見つめながらストップウォッチで時間を図る生徒。溶液の濃さによっては20分も反応がなく待ちくたびれたころに突然色が変わることも。突然の反応にはあちこちで歓声があがりました。「水の成分が違うと反応速度が違う?」と当日の実験内容を超える会話が交わされる場面も。実験後は考察、まとめに真剣に取り組んでいました。今回からスタートした「10秒チャレンジ」は「10秒で溶液の色を変える」ことが目的。実験計画に10秒で反応するように設定した溶液の量・濃度を記載しました。実際にピッタリ10秒で色が変わったグループもあり大きな盛り上がりを見せました。

【Classiについて】

多くの学校で導入されているICTソフト「Classi」を利用することになり、グループに分かれてからそれぞれのクラスで「Classi」について説明が行われました。

導入の第一歩として、高校1年生は第2回の課題探究基礎Ⅰの課題提出から利用します。「自分で項目を作ることができる。」「課題の提出後の訂正はできないのでしっかりと見直して提出すること。」など利用する方法や注意点の説明がありました。高校生活で自分が取り組んだことの記録ができ、あとで振り返ることができます。今後は、課題探究基礎の活動だけでなく、日々の学校生活の様々な場面で「Classi」を利用してゆくことになります。