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科学探究基礎 Ⅰ (1) 2018.05.22

SSH学校の様子

5月22日(火)SSHの活動の第一弾『科学探究基礎Ⅰ』を実施しました。

高校1年生が1年を通して取り組む探究活動に関する授業の第1回。導入として「課題研究の概要」を学び、その後、3つの課題グループに分かれ一日かけて活動を行いました。初めての科学探究基礎Ⅰの授業に、生徒たちがどのように取り組み、結論を生み出すのか。一日密着しました。

【課題研究の概要】

『課題研究の概要』は、大学の卒業論文に取り組むために必要な知識であることを前置きしながらも「課題研究とはなにか?」「取り組みで注意すべき点」「課題研究で身につく・身につけるべき力」「研究倫理」について高校生にもわかりやすい説明があり、どの生徒もしっかりとメモを取りながら聞いていました。受講した後、自分の課題の教室への移動時に友達同士で内容を確認したり、実験中「これ、マジックワードだ~!」と『課題研究の概要』の講義で出てきた言葉をすぐに活用したりする場面が多く見られました。今後一年にわたり取り組む課題研究への興味を喚起させるために効果的な内容だったと思います。

【SDGsについて調べよう】(関西学院大学 中村教授)

4クラス参加で一番大きなグループです。SDGsの17の大きな目標について関西学院大学の中村教授が90分間講演されました。長い講演でしたが、全員が熱心に聞いていました。講演の後は各クラスに分かれての調べ学習クラスにより雰囲気が違うものの、どのグループも共通して積極的に意見を出し合い、クラスの様子を見学された 関西学院大学の中村教授や通りかかった教員にも積極的に質問をしていました。

調べた後、グループごとに複数回の発表の後、クラスで最終の発表を行う。という形式でした。難しいテーマのグループもあり、初期は内容が少なく発表の目安の時間を持て余すグループが多いようでしたが、数回の発表を経た後の全体発表ではどのグループもしっかりとした内容で発表時間に合わせてきたのは見事でした。発表が終わったグループも集中力を途切れさせることなく、仲間の発表に聞き入っていた姿に相手を尊重する姿勢が身についている。と感心させられました。

【物理(ボールバウンズの解析)】

バスケットボールとバレーボールを使って、ボールの落下・測定の実験を体育館で行いました。それぞれのグループが話し合いながら、きれいなグラフになるようにボールを落とす高さを変えたり、ボールによるバウンドの違いについて考えたりと試行錯誤をしている姿が見られました。また、測定データが綺麗な波形を描くと全員で盛り上がるグループ。データを見ながらもくもくと取り組むグループ。と取り組み方も様々で自由に工夫をしながら取り組んでいる様子が見られました。実験後は教室でPowerPointを用い全員が前に出て発表を行いました。グループによる取り組みの深さに違いが見られ、ほかのグループの発表を聞き「あんな風にすればいいんだ」と学びあう姿がありました。

【化学(反応速度の測定)】

薬品を混ぜると色が変わる。という変化の目立つ実験だったため、試薬の色が変わる瞬間あちこちで大きな歓声が上がっていました。午前中は実験の目的をきちんと把握せずに取り組むグループが多く見受けられましたが、午後の追加実験では午前中より理解が深まっていた様子を感じました。実験に取り組む姿勢はどのグループも積極的で楽しそうでした。 実験結果のデータを発表時にどのように活用してわかりやすいグラフや表にするかなど話合いをしながら発表の内容を練り、グループによっては次の課題を見つけたようでした。

『科学探究基礎Ⅰ』のスタートは生徒の好奇心をくすぐったことは間違いなく、積極的に熱心に探究に取り組む様子を見て、今後の生徒たちの成長が楽しみになりました。